「一発逆転ホームランはない」存廃議論のローカル線、新見市長の見方
赤字ローカル線は維持できるのでしょうか。JR西日本は備後庄原(広島県庄原市)―備中神代(岡山県新見市)間の68・5キロについて、将来像を話し合う「再構築協議会」の設置を国土交通相に要請しました。現状をどう見ているのかを、新見市の戎斉(えびす・ひとし)市長に聞きました。
シリーズ 線路は続くか
ローカル鉄道の問題を現場から考えます。国交相やJR西の関係者らへのインタビューもお伝えしています。
――JR西が芸備線の見直し議論を求めます。
芸備線が全線開通したのが昭和11(1936)年。以来、87年という非常に歴史のある、地元にとっては欠かせない交通手段の一つだ。沿線の住民の生活の一部になっており、存続を求める声は強い。
中国山地の山あいにある新見市が栄えたのは旧国鉄のおかげ。南北に伯備線、東は姫新(きしん)線、西には芸備線が走り、十文字の線路の結節点が新見市。芸備線は「支線」としての機能を果たしており、市の公共交通網の骨格を支える貴重な路線であることは間違いない。(自動車の利用が普及する)モータリゼーション前は旧国鉄の重要な基地の一つでもあった。
「住民の立場を最優先に」
――現在の利用状況をどう評価していますか。
確かに利用者が減少していることは承知しているが、高校生の通学や高齢者の買い物、病院への通院などで地域にとっては非常に大切な、なくてはならない移動手段の一つだ。
一番考えなくてはならないの…
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