日銀は世界のガラパゴス中銀 「2%インフレ目標」は絶対ではない
編集委員・原真人
「2%インフレ目標」は絶対に達成しなければならない国民目標なのか。むしろ、それにこだわるあまり、先進国の中央銀行で唯一、大規模な金融緩和を続ける日本銀行の政策が「ガラパゴス化」してはいないのか。
日銀は31日、金融政策決定会合(年8回開催)を開いて、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短期金利操作)やマイナス金利政策など、異次元緩和策の大枠を維持することを決めた。
昨年、世界的なインフレが到来して以来、世界の中央銀行はずっと金融引き締めモードである。資源高に直撃された新興国や途上国の多くは早くからそうだったし、欧米先進国でも昨年前半からそうなった。
昨年春までゼロ金利政策をやっていた米国の中銀、FRB(連邦準備制度理事会)の政策金利は今では年5・25~5・5%という高さだ。マイナス金利政策をやっていたユーロ圏の中銀、ECB(欧州中央銀行)も今では年4・5%の高みにある。
そのなかで日銀だけがあいかわらずマイナス金利を続け、世界でどの中央銀行も見向きもしなかった「YCC」という異形の政策を続けている。日銀はいまや「世界のガラパゴス中銀」なのだ。
物価上げるための緩和、まだ必要なのか
ガラパゴス政策をやっていて…