「あきらめない」エール 全線再開のJR只見線で列車プロレス再び

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茂木克信 斎藤徹
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 2011年の豪雨災害を乗り越え、昨年10月に11年ぶりに全線再開したJR只見線(新潟県魚沼市福島県会津若松市)の列車内で30日、プロレスの試合が行われた。沿線の奥会津地域の熱意で不通区間の復旧を実現させた只見線と、何度倒されても立ち上がる不屈のレスラーたち。あきらめない――。県境の山あいを走る列車から、熱戦とともにそんなメッセージが届けられた。

レスラー5人が狭い車内で対決

 午前10時過ぎ。只見線の大白川駅(魚沼市)から東隣の只見駅(福島県只見町)へと向かって走行する2両編成の貸し切り列車の中で、ゴング代わりのホイッスルをレフェリーが吹いた。

 約40人の観客が見守る中、新潟プロレス(新潟市東区)とみちのくプロレス(岩手県滝沢市)所属の選手計5人が、優勝者1人を決めるバトルロイヤルを始めた。狭い車内で時には2カ所に分かれ、相手を抱え上げて通路にたたきつけたり、関節技を決めたりチョップや張り手を浴びせたりした。

 相手の決め技を何度もはね返し、汗まみれになって戦い続ける選手に観客たちも大興奮。声をそろえて「もう1回、もう1回」と技をねだるなどし、約20分間の熱戦を盛り上げた。

 母、妹と3人で観戦した只見町の菅家新(あらた)君(6)は「レスラーが足元まで来てびっくりしたけど、楽しかった」と話した。

2011年の豪雨で鉄橋が流出、線路が崩壊

 只見線は、山深い渓谷を流れ…

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