ライチョウの成鳥3羽、故郷中央アルプスへ 野生での繁殖めざす

高億翔
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 中央アルプスで進められている国の特別天然記念物、ライチョウの「復活作戦」で、環境省信越自然環境事務所は10月1日、動物園で飼育していた成鳥3羽(メス1羽、オス2羽)を野生に復帰させる。動物園での繁殖の見込みが薄れてきたため、3羽を中央アルプスに返し、野生での繁殖をめざすことにした。

 3羽は、栃木県の那須どうぶつ王国で飼育していたオス1羽と長野市茶臼山動物園で飼育していたオス1羽とメス1羽。もともと中央アルプスで生まれた個体で、野生復帰をめざす復活作戦の一環として繁殖と保護のため中央アルプスから動物園に移されていた。

 だが、那須では今回中央アルプスに返すオスとの繁殖が期待されていたメス1羽が6月に死んだ。茶臼山ではメスの産卵が2年間見られず、中央アルプスに返した方が繁殖につながる可能性があると判断した。

 復活作戦は、昨年8月に22羽を動物園から野生に戻すなど順調に進み、中央アルプスのライチョウの成鳥の総数は80羽前後と推測されている。

 今回野生に返す3羽は、テンやキツネなどの天敵から守るため、9月26日に中央アルプスの保護ケージに移された。10月1日に放鳥して野生復帰させる予定だ。同事務所の小林篤専門官は3羽について「山でしっかり繁殖に加わってくれればいいなと思っている」と話している。(高億翔)

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