「ここは学会じゃない」声荒らげた尾身氏 宣言下、専門家同士の激論
尾身茂氏インタビュー
コロナ禍で100以上の提言を発表した専門家集団。そのとりまとめ役の尾身茂・結核予防会理事長が提言づくりの内幕を描いた新著を発表した。尾身氏は「我々の提言が完璧とは思っていない」という。なぜ今、過去を振り返るのか、その意図を聞いた。
――2020年5月8日、最初の緊急事態宣言の解除の条件を議論する勉強会で、「一体何を考えているんだ」と声を荒らげたと書いています。
ある程度、定量的にわかる客観的な解除の目安を作ることは、勉強会の4日前に政府の基本的対処方針等諮問委員会で合意していた。国は早く解除したい、でも専門家は違う。だから、考え方の基本がないと恣意(しい)的になる。私は政府との交渉役だから、その合意事項をよく覚えている。
でも、勉強会には委員会のメ…
- 【解説】
新型コロナ対応の中で、専門家が政治的に振る舞ったととらえて、これを批判する声が少なからずあります。その際には、尾身氏が政治的だったことをことさらに批判する論調が多いのですが、この記事にあるように、実際には尾身氏は、専門家会議のメンバーたちを
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