北陸新幹線の新区間料金、敦賀-東京間は現行より28分延びて割高に

久保智祥
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 来年3月16日に金沢―敦賀間が延伸して開業する北陸新幹線の料金をJR西日本と東日本が22日、発表した。東京までの所要時間は多くの区間で短くなる一方で、料金は高くなる区間が多いことから、沿線首長からは負担軽減を求める声もあがった。

 東京までの料金(普通車指定席、通常期)は、小松が1万4600円、加賀温泉1万4930円、芦原温泉1万5590円、福井1万5810円、越前たけふ1万6140円、敦賀1万6360円となる。

 特に割高感が増すのが敦賀だ。現在、東京へは在来線特急「しらさぎ」で米原に行き、東海道新幹線に乗り継ぐ場合、最短2時間40分で料金は1万3820円。北陸新幹線では、乗り継ぎが不要になるものの、所要時間は最短で3時間8分と28分延びるうえ、料金も2540円高くなる。

 また、関西中京圏へは北陸新幹線で敦賀に行き、在来線特急の「サンダーバード」や「しらさぎ」に乗り継ぐ形となるが、ほとんどの区間で高くなる。

 JR西日本は、現在は在来線特急1本で往来できることから、在来線と新幹線の2列車の特急料金をそれぞれ割引して料金設定したとするが、それでも、金沢―大阪は9410円と、現行より1620円高くなるほか、福井―大阪も7290円と現行より1150円高くなる。

 こうした点について、福井県の杉本達治知事は「東京―金沢間と同様の料金体系が維持され、一定の配慮はいただいたと思うが、基本的には、県民の料金負担は増える。企画切符などの活用などにより料金負担を軽減するようJR西日本に求めていく」とのコメントを発表した。

 利便性が大きく変わらないのに、料金が上がる区間があることについて、JR西日本の担当者は、インターネット予約による割引料金や企画切符、旅行商品などの設定を今後検討するとし、「新幹線の開業効果は非常に大きい。観光キャンペーンや割引施策で、地元と一緒に利用促進を図っていきたい」と話した。(久保智祥)

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