世襲議員、なぜ減らない? 谷口尚子教授から有権者へのメッセージ
「世襲」の議員は、今月発足した第2次岸田再改造内閣や自民党新役員でも目立ち、国会全体の中でも依然少なくない。世襲議員はなぜ減らないのか。次期衆院選に向け、有権者はどう向き合うべきなのか。政治家の世襲について研究してきた谷口尚子・慶大教授(政治学)に聞いた。
――再改造内閣では、実父または実母が国会議員だった「世襲大臣」が岸田文雄首相を含め8人で、約1年前に発足した改造内閣から2人増えました。自民4役にも父が首相を務めた小渕優子氏が入りました。要職から世襲が減らないのはなぜでしょうか。
先代の強固な支持基盤があれば、世襲の議員は若いうちから当選回数を重ねてキャリアを形成できる。同じ年代の議員で比べて早く閣僚などになる傾向もある。
――閣僚と自民4役の世襲議員のうち、首相と鈴木俊一財務相を除いた衆院議員全員が1996年以降に初当選の「小選挙区世代」で、40代の小渕氏らも含まれます。選挙制度も影響していますか。
小選挙区では、政権交代の可…
- 【視点】
世襲と選挙制度の関係に関する谷口さんの考察に頷くところ多々。私もこれまで世襲議員の活動を永田町だけでなく地元にも行って取材してきました。特に政権のあり方に直結する衆院(首相指名で参院に優越するため)が大事ですね。 あえて世襲のメリットを
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