野党「がくぜん」、与党「衝撃的」 副大臣・政務官で「女性ゼロ」

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木佐貫将司 国吉美香

 岸田文雄首相は内閣改造で過去最多に並ぶ5人の女性閣僚を起用したが、一転して計54人の副大臣・政務官を全て男性で固める人事を決めた。前代未聞の「女性ゼロ」には、与野党問わず驚きの声が上がった。

 「信じられない。54あるポストでゼロとはどういうことなのか」

 米国から帰国したばかりの立憲民主党の泉健太代表は15日夜、あぜんとした表情で記者団にこう語った。「近々の衆院選をにらんだ、役職のバラマキのようだ」と述べ、政権側に女性登用の意識がなかったことが背景にあるとの見方を示した。そのうえで「自民の人材のなさ、女性が不足していることの象徴。由々しき事態だ」と批判した。

 西村智奈美代表代行も談話で「がくぜんとした。このようないびつな内閣では、国際的にもますます我が国のジェンダー平等意識が疑われる」と強調。自民の派閥政治の弊害だと指摘した。

 立憲は「岸田政権が多様性を軽んじていることが可視化された。これから違いを見せつける」(幹部)と、秋の臨時国会や衆参補欠選挙などで追及する構えだ。

 共産党の田村智子政策委員長も、朝日新聞の取材に「ジェンダー平等の課題に一切答える気がないと言うことを示すような人事だ」と憤った。

 一方で「数ありき」に疑問を…

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この記事を書いた人
木佐貫将司
ネットワーク報道本部|首都圏ニュースセンター
専門・関心分野
選挙、議会、政策、地方自治、データ分析