歪む「ネット世論」 一部の声が強調されるリスク、メディアは認識を

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山口真一のメディア私評

 インターネットの普及は、社会における情報のアクセス方法やコミュニケーションの方法を劇的に変化させた。人々はSNSなどのプラットフォームで意見や情報を自由に共有し、瞬時に大勢の人々に情報を届けることができるようになり、人類総メディア時代が到来した。

 それに伴い、「ネット世論」という言葉をよく耳にするようになった。インターネット上では多様な人が様々な意見を言っており、政治的運動もしばしば起こっている。マスメディアもそのようなインターネットを人々の意見の場として取り上げ、報道することが少なくない。

 しかし、実はインターネット上の意見分布が大きく歪(ゆが)んでいることが、筆者の実証研究で明らかになっている。それを世論としてマスメディアが報じたり、政府・政治家・企業・個人もそう捉えたりすることで、大きな問題が引き起こされていることを筆者は危惧している。

 なぜインターネット上の意見…

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    鳥海不二夫
    (東京大学大学院教授)
    2023年9月15日10時43分 投稿
    【解説】

    本記事内で私の分析もご紹介いただいていますが,解散総選挙が噂される中,ネットの声を見誤らない様にする必要はあります. 特に,ノイジーマイノリティと呼ばれる現象があり,一部の人々が何度も投稿や拡散を繰り返すことでネット上で目立とうとする動き

    …続きを読む