南海6000系、デビュー時の無塗装車両 和歌山県内でも運行開始

大野博
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 南海電鉄高野線で1962年から走り続けているレトロ車両の6000系。デビュー当時のステンレス無塗装の姿での運行が13日、和歌山県内の区間でも始まった。

 6000系は62~69年に製造され、東急電鉄東京都)の7000系、京王電鉄(東京都)の3000系と並んで、国内のオールステンレス製鉄道車両の第1世代とされる画期的な電車だった。東急や京王では10年以上前に退役しており、譲渡先の地方私鉄で走っているケースはあるが、デビュー時と同じ鉄道会社で現役を続けているのは南海の6000系だけという。

 ステンレス車は従来の鋼鉄製の車両と違い、塗装の必要はないが、他の車両のデザインと合わせて1992年から青色とオレンジ色の線を入れた。今回の企画では、在籍する30両のうち6両で登場時の無塗装のデザインを復活させ、今月11日から高野線の大阪府内の区間での運行が始まった。

 この日、県内に乗り入れた無塗装の車両は、難波駅午前7時18分発の各駅停車。大阪府河内長野市から紀見峠トンネルをくぐって橋本市に入り、8時半過ぎに終点の林間田園都市駅に到着した。6両編成の最後尾の車両は車両番号6001のトップナンバーで、最古参の62年製という。

 南海電鉄の担当者によると、11日の大阪府内での初運行では、鉄道マニアだけでなく、「懐かしいね」とスマホのカメラを向ける一般乗客の姿もあったという。「大切に乗っていただければ幸いです」と話している。(大野博)

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