乗務員不足、減便、老朽化…路線バス廃止決断の社長「見通し立たず」

前田智

 12月20日で路線バスの運行を終了する金剛自動車(本社・大阪府富田林市)の白江暢孝社長が12日、会社で記者会見を開いた。乗務員不足が深刻なうえ、減便すればさらに収支が悪くなるとの見通しを示し、「できれば続けたかったが、この段階でないともっと大変なことになる。利用者が混乱しないよう、路線維持に協力したい」などと述べた。

 白江社長によると、2013年度に約172万人だった乗客数は21年度には約106万人に。19年度から22年度までの間、赤字は最少でも約2500万円、最大では約8千万円までになった。

 乗務員不足で他社から3人の運転士の派遣を受けているが、30人いた運転士は派遣の人を含めても20人で、ダイヤ維持が困難な状況が続いている。

 以前から窮状を行政に非公式には伝えていたとし、6月に補助の申し出があったという。ただ、バス運転士の長時間労働が規制される「2024年問題」に触れ、「補助をいただいても、2024年問題もあって乗務員不足は解決できず、減便で収支が悪化する」と説明。さらに「1台2、3千万円はするバスの老朽化も進んでおり、今後の見通しが立たない」と厳しい事情を明かした。(前田智)…

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