千葉、茨城、福島で猛烈な雨 「記録的短時間大雨情報」が計20回

中野渉 杉江隼 大山稜 細沢礼輝

 本州に接近した台風13号(インニョン)の影響で8日、千葉、茨城、福島の各県で線状降水帯が発生して記録的な大雨となった。千葉県内では河川の氾濫(はんらん)や土砂災害が起きたほか、交通機関も乱れた。ただ、台風は本州に上陸せず、同日午後9時に日本の南で熱帯低気圧に変わった。

 8日午後8時半までに、3県では1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が相次ぎ、「記録的短時間大雨情報」が計20回出た。特に千葉県内では、茂原市で24時間降水量(午後7時50分現在)が379・5ミリに達し、観測史上1位となった。同市や大多喜町、千葉市などで河川の氾濫が相次いだほか、市原市では90代の女性が崖崩れに巻き込まれたものの、命に別条はないという。

 また、JR東日本によると、外房線や成田線などの駅で線路が一時冠水。他の路線も合わせて運転見合わせが続いた。9日も内房線と外房線の一部区間で終日運転を見合わせる。全日空(ANA)と日本航空(JAL)によると、静岡や羽田発着の計32便が欠航。両社とも9日は通常通りの運航を見込む。

 気象庁によると、北海道周辺の高気圧が南に張り出したため、台風の北上が阻まれたという。9日にかけて、北日本から東日本の太平洋側は大気の不安定な状態が続く見込み。同日午後6時までの24時間に予想される雨量は多い所で、関東甲信、東北で150ミリ。(中野渉、杉江隼、大山稜、細沢礼輝)…

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