被災した農家に「これは柿の先払い」 岩手から温かな支援金

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渡辺純子

 九州各地が記録的大雨に見舞われた7月、甘柿の産地として知られる福岡県朝倉市の柿農家に、岩手県の男性から多額の支援金が届いた。柿畑に通じる坂道が崩れ、気落ちしていたときのこと。送り主は、5年前に被災した時も支援してくれた男性だった。「これからも柿を食べたいから、その先払いです」。そんな言葉がまた、農家を励ました。

 朝倉市松末(ますえ)地区を中心に約10ヘクタールで柿をつくる小ノ上喜三さん(74)がその男性と出会ったのは2010年。男性がある日、柿畑を訪ねてきた。

 日本最大級の甘柿農家といわれる小ノ上さんはかつて柿栽培に関する本を出したことがあった。男性はその本を読み、友人と九州を旅行する機会に足を延ばしたという。小ノ上さんは柿畑を案内し、山の恵みでもてなした。

 その7年後の17年夏。朝倉…

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