地下鉄に響くチュンチュン音「SF映画みたい」車両基地で謎に迫った

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原知恵子
【動画】札幌市営地下鉄の駅ホームに響く「チュンチュン音」=原知恵子撮影
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 札幌市営地下鉄の駅ホームで電車を待っていると、構内に「チュンチュン」とまるでSF映画のような不思議な音が響く。転勤で様々な都市で暮らしてきたが、初めて耳にした。

 例えば、東西線・大谷地駅(厚別区新さっぽろ行きホームの場合。6月に取材した際には、電車が到着する約1分20秒前からチュンチュンと響き始め、少しずつ音が大きくなっていった。電車が停車すると音はやみ、出発すると再開。そして走り去ってから1分以上はチュンチュンがこだまする。

 「日本の地下鉄でこの音が聞こえるのは札幌だけです。唯一、ゴム製のタイヤを使っていることに起因しています」

 教えてくれたのは、札幌市交通局の川波拓郎さんだ。

 ポイントは「地下鉄を動かす電気の流れ」にあるという。一般的には、架線から車体に電気を取り込んでモーターが回る。その後、鉄製の車輪→レールへと伝わる電気の回路ができる。

 ところが、札幌の地下鉄のタイヤはゴム製で、電気を通さない。そのため、車体とレールの間に電気を通すためのパーツが必要という。これが「チュンチュン音」を発生させている。

 そのパーツの名前は「負集電器」(金属製)。レールを挟むように取り付けられている。車体が動いてレールのつなぎ目を通過したり、カーブにさしかかったりすると、レールと負集電器がぶつかり合う。車両基地でその様子を再現してもらうと、まさにあの音が! これが地下空間で反響し、「チュンチュン音」になるメカニズムだ。

 そもそも、なぜ札幌だけがゴムタイヤを採用しているのか?

 「ゴムタイヤは粘着性が良く…

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