【そもそも解説】木造住宅の密集、高度成長期に急増 災害への対策は

有料記事そもそも解説

矢島大輔 土舘聡一
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 100年前の9月1日に起きた関東大震災では、死者・行方不明者約10万5千人のうち、9万1千人以上が火災で命を落としていました。延焼の要因となったのが、ひしめくように立っていた木造建築物です。実は今も、東京だけでなく各地の都市部で大きな災害リスクとなっています。

 Q 東京都の「木造住宅密集地域」とは?

 A 震災(しんさい)時に延焼被害(ひがい)のおそれのある老朽(ろうきゅう)木造住宅が密集している地域として定めている。具体的には、「老朽化した木造住宅数が30%以上」「住宅戸数密度が1ヘクタールあたり55世帯以上」などを基準に、「町丁目」単位で指定している。

 このうち、特に重点的に改善を図る地域を「不燃化特区」に選び、都と区が解消を後押(お)ししている。

 Q 東京以外では?

 A 東京と同じように、木造住宅が密集する地域は各地の都市部にもある。例えば、密集住宅市街地整備プログラムの「対策地区」(大阪市)、「不燃化推進地域」(横浜市)などの名称(めいしょう)で、自治体ごとに解消をめざす取り組みがある。

 Q 木造住宅が密集した経緯(けいい)は?

 A 戦後の復興期や高度経済…

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