「教科書には載っていない関東大震災」 大学生が12の話題を紹介

大久保泰

 千葉県銚子市のイオンモール銚子のしおさいプラザで「関東大震災100年 防災パネル展」が開かれている。市内にある千葉科学大学の学生が、県内の「房州うちわ」や「震災記念碑」など、震災にまつわる教科書には載っていない話題を集めて紹介している。9月3日まで。

 同大危機管理学科の藤本一雄教授の3年生ゼミ生9人が企画。関東大震災で房総半島南部を中心に1200人を超える犠牲者が出たことや、南房総市の野島埼灯台が倒壊したことなど県内の被害を含めて取り上げている。

 12の話題を集め、学生からのメッセージを盛り込んだ。1703年の元禄地震の津波被害が語り継がれ、高台に逃げた住民がいたことに触れ、「過去の災害を風化させてしまうのではなく、教訓として後世に伝えていくことが被害軽減にもつながる」とまとめた。

 鎌ケ谷市役所内にある「震災記念碑」は、死者が出なかったことを感謝するための碑として紹介。伝承の大切さを訴えている。

 館山市や南房総市で作られている「房州うちわ」は日本三大うちわの一つで、大震災の火災で東京・日本橋のうちわ屋の大半が焼けて職人たちが現在の館山市に移住したことを紹介。「先人たちが災害を乗り越えて受け継いできたうちわの扇(あお)ぐ風に思いをはせながら震災の悲惨さを忘れないようにしましょう」とまとめた。

 学生らはネットで関連情報を集め、詳細を調べた。森辰哉さん(20)は「過去の災害を知ることで防災知識を身につけてほしい。備蓄品の確保や避難ルートの確認などを考えるきっかけになれば」と話した。

 最終日の9月3日は防災フェスが開かれ、煙や水消火器の体験や防災グッズの展示・販売が行われる。(大久保泰)…

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