「2年で200回以上の被害」 元ジャニーズJr.が開けた引き出し
「知らないわけないだろ。うそつくな」
自宅で思わず、声が出た。
元ジャニーズJr.の大島幸広さん(38)は7月ごろ、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長の姿をテレビで見た。事務所の創業者の故ジャニー喜多川氏の性加害問題について、「知りませんでした」と語っていた。
知らないはずがない。被害者ではなく、自分を守っているように見えた。怒りがこみあげてきた。
事務所を退所した時から、事実を語りたい思いもあったが、事務所にもみ消されてしまうのではないかと思っていた。表に出て、誹謗(ひぼう)中傷も受けるリスクも感じ、名乗り出るか迷っていた。
8月上旬、国連人権理事会の作業部会が性加害問題についても指摘し、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」のメンバー7人が記者会見するのを見た。
自分も力になりたい――。当事者の会にメールを送った。
ジャニー喜多川氏の性加害問題について、事務所が設置した再発防止特別チームが8月29日、調査報告を公表しました。特別チームは性加害を事実認定し、藤島ジュリー景子社長の辞任を求めました。被害を訴える元Jr.のひとりが朝日新聞の取材に、膨大な数の被害を受けていたと語りました。
「いつもニュースを見ながら…
- 【視点】
極めて印象深いのが、決意に満ちたこれほどの証言や告発が積み重なり、「犯罪性」の蓋然性が確実となったいまもなお、古参「信奉者」的なジャニーズファンの中にはむしろ態度を硬化させ、一連の告発を「巧妙なデマ!」としてその関係者への敵対姿勢を崩さない
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ジャニー喜多川氏の性加害問題
「ジャニーズ帝国」とも言われた芸能事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏の性加害が事実と認定されました。これほど長期間、多数の少年への加害はなぜ放置されたのか。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]