第5回支援が必要な子はどこに? 生活、学力、非認知能力…データ活用模索

[PR]

 どんなデータをどう掛け合わせれば、子どものことが「見える」のか。分析結果を現場での支援にどうつなげていくのか。

 そこに早くから取り組んできたのが、大阪府箕面市だ。2017年度に、「子ども成長見守りシステム」を導入。様々なデータを組み合わせることで、支援が必要な子どもを見つけ出すのが狙いだ。

3要素掛け合わせ判定

 システムでは、「生活困窮」「学力」「非認知能力等」の3要素で判定する。

 元になるデータは、市が12年度から独自に実施する学力や体力、生活状況に関する調査と、生活困窮を示す生活保護就学援助、虐待相談などの情報だ。

 3要素での判定を掛け合わせ、最終的に支援が必要かどうかについて、「総合判定」を出す。総合判定は、支援が必要な順に「重点支援」「予防的措置」「見守り」の3段階。年2回行われ、学校に一覧にして伝えられる。

 判定結果はどう活用されているのか。

現場の先生の受け止めは

 「重点支援」と判定された子どもについては、状況を確認して学校側と支援方針を決め、経年変化や詳細も学校に伝える。「個人カルテ」と書かれた画面では、生活保護、就学援助、全教科の平均偏差値、朝食の有無、体力総合偏差値など、多岐にわたる項目にチェックや数字が入っている。

 ただ、元のデータは、子ども…

この記事は有料記事です。残り1939文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2023年9月5日7時0分 投稿
    【視点】

    第一に、「データを取り込んで見守り判定を行うまで見守りの対象となる子どもに該当するかどうか判断できないため、事前の同意を前提としていない」という市教委の説明に疑問がある。判定を行うかどうか以前に、データを取り込む段階で同意が必要なのではない

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    武田緑
    (学校DE&Iコンサルタント)
    2023年9月5日12時49分 投稿
    【視点】

    非認知能力のスコア化をどうやっているのかが気になりました。学校で教員が数値化しているのだろうか...もしそうだとすればそれはかなり主観が入るはず。私自身はそもそも非認知能力は数値化すべきではないという立場です。 そこ以外は、この仕組み

    …続きを読む

連載データで子どもは「見える」のか 活用の最前線と課題(全9回)

この連載の一覧を見る