ジャニー氏問題と類似、英サビル事件とは BBC番組司会者の裏の顔

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ロンドン=藤原学思

 ほとんどの国民がその名を知り、人びとを笑顔にするために尽くしていると信じた。だが、長年にわたって存在したうわさについては、マスコミも警察も見て見ぬふりを決め込んだ。本当の意味で問題が明るみに出たのは、その人物が亡くなり、テレビで疑惑が放映されてからだった――。

 ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏(2019年死去)について、事務所によって設けられた「再発防止特別チーム」が半世紀にわたって性加害を行っていたとする報告書をまとめた。「強者、弱者の権力構造があった」としている。

 英国では10年ほど前、ジャニー氏の問題と似通った構図の事件が大きな社会問題になった。

 通称、ジミー・サビル事件。ジャニー氏の問題と異なるのは、英国では警察や政府機関がそれぞれ、時間をかけて捜査、調査に乗り出し、再発防止に向けた課題をあぶり出したことだった。

 この事件の中心人物は、11年10月に84歳で亡くなったジミー・サビル氏。ラジオ番組のDJから英公共放送BBCの人気番組の司会者になり、慈善家としても知られた。1990年には、当時のサッチャー首相の後押しにより、「サー」と呼ばれるナイトの爵位も得た。

 ただ、サビル氏には「裏の顔…

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この記事を書いた人
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論
ジャニー喜多川氏の性加害問題

ジャニー喜多川氏の性加害問題

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