岸田首相が沖縄訪問 基地視察や知事との会談なし バスケW杯は観戦

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棚橋咲月 小木雄太

 岸田文雄首相は25日、沖縄県を訪問し、バスケットボール男子のワールドカップ(W杯)の試合を観戦した。26日には復元工事中の首里城を視察する。一方、政権が基地負担の軽減や沖縄を含む防衛力の「南西シフト」を進めるなか、安全保障などに関わる視察は予定しない。玉城デニー知事との会談予定もなく、沖縄県側から失意の声が漏れる。

 首相は25日夜、沖縄アリーナ(沖縄市)を訪れ、同日開幕したバスケ男子W杯の日本対ドイツ戦を観戦した。26日には、火災から復元作業中の首里城を視察し、観光振興について関係者との車座対話にも臨む。

 首相周辺は「今回の沖縄訪問はバスケの観戦がきっかけ。日帰りはできないので、翌日に視察や車座対話を入れた」と話す。松野博一官房長官は25日の記者会見で「大規模国際スポーツイベントの開催状況を視察し、日本代表の活躍を応援する。観光振興に関わる意見を受け止め、観光政策に生かす」と説明した。

沖縄選出の国会議員からは疑問の声

 首相の沖縄訪問は6月23日…

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この記事を書いた人
小木雄太
政治部
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国内政治、外交
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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター長代理)
    2023年8月25日22時19分 投稿
    【視点】

    岸田首相2007年、沖縄・北方担当相として初入閣しました。第2次安倍政権では、連続の在任期間では戦後最長となる4年7カ月にわたって外相を務めました。沖縄について長年関わってきたはずです。そうした経験を踏まえれば、米軍普天間飛行場の移設をめぐ

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年8月26日6時49分 投稿
    【視点】

    沖縄は近代国家日本が成立して以来の日本政治の弱点であり、いかに向き合うかで政治家の資質が問われます。沖縄を防衛の拠点として地図上で語っても、現地で暮らす人々と語り合わない国会議員が増える中、防衛力強化を掲げる岸田首相が意外なタイミングで沖縄

    …続きを読む