移設阻止掲げる知事に厳しい判断 辺野古「不承認」訴訟、敗訴確定へ

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小野太郎 棚橋咲月 田嶋慶彦
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 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり県が国の処分を違法と訴えた訴訟の上告審で、県の敗訴が確定する見通しとなった。移設阻止を掲げてきた玉城デニー知事は今後、厳しい判断を迫られる。一方、岸田政権は埋め立て工事再開を念頭に、手続きを進めていく構えだ。

 玉城氏は24日、記者団の取材に「内容について具体的なことは伝えられていない」などと述べるにとどめた。県幹部からは「弁論の機会さえ与えられないのか」「厳しい判決は覚悟している」といった声が上がった。

 辺野古沿岸部の土砂投入は2018年に始まり、4分の1にあたる南側の区域はすでに陸地化されている。残る北側の区域の大浦湾では軟弱地盤が広がり、国は改良工事に必要な設計変更を申請したが、玉城氏が21年に不承認とした。

 この権限は、辺野古移設を阻…

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この記事を書いた人
小野太郎
那覇総局|沖縄県政担当
専門・関心分野
国内政治、沖縄
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    牧原出
    (東京大学先端科学技術研究センター教授)
    2023年8月25日2時18分 投稿
    【視点】

    最初に埋め立てが始まったとき、沖縄のジャーナリストからも「沖縄の人は案外淡泊だから、埋め立てが始まれば工事を受け入れるかもしれない」と聞かされたことがありました。しかし現実には、現在に至るまで沖縄県民には、根深い埋め立てへの反発があります。

    …続きを読む