「もう収まらない」処理水放出前に漏らした首相 選挙と中国を意識

 岸田文雄首相は米国から帰国した翌日の20日に福島第一原発を視察し、21日に漁業者と面会、22日に海への処理水の放出日を決めた。最終局面で首相が牽引(けんいん)した24日の放出は、漁業者への説明のあり方も含めぎりぎりまで調整が続いた。

 放出を翌日に控えた23日、首相は周辺にこんな言葉を漏らしたという。「最後は自分が前面に立たないと、もう収まらないと思った」

 政府が処理水を「夏ごろ」に放出する方針を決めたのは今年1月。それから7月ごろまで、政府内では三つの放出シナリオが検討された。

■中国の批判に「情報戦を戦う…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2023年8月25日13時27分 投稿
    【視点】

    こういう判断基準で決めているのか、というのがよくわかる記事。 中国政府の対応への過剰反応として、処理水放出への批判を一概に「非科学的」と決めつけるような雰囲気も一部にあるようだ。しかし科学とは、真理に至るための手続きではあるが、真理そ

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年8月25日6時27分 投稿
    【視点】

    ぜひ読んでいただきたい岸田官邸の舞台裏です。処理水放出の政権に対するダメージを抑えようと、24日への隘路をいかに抜けたか。それは国内外の理解を実際に得るための模索というより、理解を演出する弥縫策の積み重ねでした。記事を締める官邸幹部の「満足

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