ロシアの偽情報に対抗 ウクライナの反省「戦争は頭の中から始まる」

有料記事

リビウ=藤原学思

 ロシアによるウクライナ侵攻から24日で1年半となる。各地で激しい戦闘が続くが、ウクライナはインターネット空間も「戦場」の一つとして戦いを続けている。ロシア発の偽情報やプロパガンダに、ウクライナはどう対抗しているのか。

 「正直、なぜ2014年にこの機関がなかったのか、私にはわからない」

 ウクライナの政府機関「偽情報対策センター」の幹部、アナイート・ホペリア氏は7月、オンライン取材にそう吐露した。

 センターでは、平均年齢25歳の職員52人が、ウクライナに関する虚偽情報を監視・分析する。

クリミアの反省生かす

 ホペリア氏の言う「2014年」は、ロシアがクリミア半島を一方的に併合した年だ。「大規模な実地での攻撃と、ネット空間での攻撃がウクライナで同時に展開された。ロシアのプロパガンダに大きな影響を受けてしまった」

 当時の反省も生かして21年…

この記事は有料記事です。残り2029文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論
  • commentatorHeader
    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年8月26日1時47分 投稿
    【視点】

    実際に偽情報工作で国土を失ったウクライナの人々が持つ、偽情報に対する感覚から学ぶべきことは多い。日本ではあまりにもナイーブにそうした偽情報を信じる、ないしは自分の考え方に近いというだけで、その偽情報が含む毒に気が付かない。最も効果的な嘘は、

    …続きを読む
ウクライナ情勢

ウクライナ情勢

2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を開始しました。国際社会の動きや、現地の様子などのニュースをお伝えします。[もっと見る]