NYT、オープンAI提訴を検討 記事の著作権めぐり米報道

ChatGPT

サンフランシスコ=五十嵐大介

 米ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が、対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を運営する米オープンAIを提訴する方向で検討していることが明らかになった。米公共ラジオNPRが16日報じた。

 報道によると、NYTは自社の記事のライセンス提供についてオープンAI側と数週間にわたり交渉してきたが、協議が難航しており、著作権保護のための提訴を検討しているという。

 チャットGPTなど最先端のAI技術は、インターネット上の膨大なデータをもとに訓練されているが、報道機関側から自社の記事や写真が訓練データとして無断で使われることに懸念が出ている。

 NYT側は、AIが同紙の記事に基づいた回答をすることで、利用者がNYTのサイトを訪れる必要性が減ることを懸念しているという。

 NYTは今月3日に利用規約を改訂し、事前の許可なしに「(記事や写真などを)AIの訓練を含めたいかなるソフトウェアの開発にも使ってはいけない」と明記した。

 一方、米AP通信は17日までにAIに関する指針を公表した。記事や写真の作成にAIを使うことを禁じ、記者にAIに関する知識をつけるよう促している。APは長年、記者が記事を書く際の基準となるスタイルブックを発行しており、今回のAIに関する新たな指針も盛り込むとしている。(サンフランシスコ=五十嵐大介)…

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