「ロシアはヨーロッパですよ」 22年前、プーチン氏はムキになった
ロシア芸術を愛する若き大統領――。日本演劇界の「最後の巨匠」と呼ばれる演出家の鈴木忠志さん(84)が22年前、プーチン大統領との面会で抱いた印象だ。そのプーチン氏がウクライナ侵攻を続け、ロシア芸術が表舞台から排除されつつある。「この状況を作り出したのは彼自身」と失意をあらわにする鈴木さんが、2度の面会で見たプーチン氏の姿とは。
鈴木さんは早稲田大在学中に演劇活動を始め、劇作家の別役実らと劇団「早稲田小劇場」を結成、唐十郎、寺山修司らと1960年代から演劇界を牽引(けんいん)してきた。自身の名を冠した俳優の訓練法「スズキ・トレーニング・メソッド」は名門「ジュリアード音楽院」(米国)など世界中で採用されてきた。
プーチン氏との最初の面会は2001年4月。「シアター・オリンピックス」のモスクワ開催のためだった。旧ユーゴスラビアの民族間紛争をきっかけに、演劇を通じて反戦や反差別の強い意思を示そうと、世界中の芸術家が賛同して95年に始まった演劇の祭典だ。
ロシア人と米国人の演出家仲間と共に、モスクワのクレムリンにある広い大統領執務室に通された。鈴木さんの対面に小柄だが背筋が伸び、鋭い目つきの男性が座った。就任2年目のプーチン氏だ。背筋に緊張が走ったのを覚えている。
だが、緊張はすぐに和らいだ…
【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら