「早期に便数を戻したい」 運転士不足で福鉄が10月から減便

小田健司
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 福井鉄道(越前市)は14日、越前市と福井市を結ぶ福武(ふくぶ)線のダイヤを10月14日に改定し、日中の時間帯を中心に減便すると発表した。減り幅は平日、土日祝日ともに約2割と利用者への影響は大きい。運転士の不足が主な要因という。

 同社鉄道事業本部によると、減便は午前10時~午後3時台を中心に行われる。現行では上下線で1日に105本の運行を行っている平日は80本に減便する。土日祝日は98本から76本となる。この時間帯の運転間隔はこれまで20分に1本ほどだったが、改定後は30分に1本程度となる。

 改定後は平日朝に田原町と福井駅を往復していた「シャトル便」はなくなる。さらに、えちぜん鉄道(福井市)と相互乗り入れをしている日中の急行(1時間に上下線各1本)も廃止することにした。

 運行時刻も見直す。始発電車は10分繰り下げるとともに、最終電車も42分繰り上げる。

 同社では15日現在で22人の運転士がいるが、定員は28人だ。運転士不足の要因について、同社は離職に対して採用が追いついていないことを挙げた。「運転士の給与水準も総じて低い」などと、人材確保が容易ではない事情もあるという。

 利用者に対しては「ご不便とご迷惑をおかけして申し訳ありません」としているが、今後、十分な人員が確保できれば「できるだけ早く元の便数に戻したい」としている。(小田健司)

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