今年最安値、また145円台 思惑外れた日銀、介入時に迫る水準に
多鹿ちなみ 山本恭介
14日の東京外国為替市場で円安ドル高が進み、円相場は一時、今年最安値となる1ドル=145円20銭台まで下落した。政府と日本銀行が昨秋、24年ぶりに円買いドル売りの為替介入をした日につけた145円台後半に迫っている。日銀総裁が為替の動きに異例の言及をする中、市場は政府、日銀がどう動くか、注目している。
午後5時時点では1ドル=144円79~81銭で、先週末10日の同時刻よりも1円ほどの円安ドル高だった。午前には一時、昨年11月以来、9カ月ぶりの円安水準をつけた。
このところの円安の主因は、物価高を抑えるための米国の利上げが、長引くとの見方が強まっているからだ。
米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は昨春から始めた利上げを6月、いったん停止した。だが、物価高を抑えるには不十分だとして7月に再開を決定。市場は、利上げはこれで終わると受け止めたものの、11日公表の米国の消費者物価指数の上昇率が再び加速した。
このため、まだ利上げは続くとの見方が広がり、金利を低く抑えている円を売って、金利がさらに高くなることが見込まれるドルを買う動きが強まった。
「異例の言及」した日銀、円安止める手は
市場では、円安はさらに進む…