ライフジャケットがあっても体は沈む… 海保が教える正しい着用方法

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阿部育子
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 本格的な夏のレジャーシーズンを迎え、第3管区海上保安本部が記者向けにライフジャケットの着用体験会を開いた。3管本部管内では、昨年までの過去5年間でマリンレジャー中の死者・行方不明者の約9割が救命胴衣の非着用者だったという。どうすれば、事故から命を守れるのか――。

 7月下旬、横浜市中区の横浜海上防災基地にある訓練に使うプール。3管本部の担当者から各社の記者に向けて説明が始まった。

 「ライフジャケットはしっかりと体に合わせることが大切です」

 最初に着用したのは、成人男性でも浮くのに十分な浮力7・5キロのチョッキ式のもの。肩や腹部にベルトがついており、体にフィットするよう一番下の股ベルトから順に締めていく。

 着用後、記者(24)も勢いよくプールに飛び込んでみた。最も深いポイントで水深2・5メートル。足が着かないため一度は沈んだが、ライフジャケットの浮力で一気に水面に持ち上げられた。全身の力を抜き、緊張しながらも身を任せることができた。

 ただ、時間が経つと肩付近に隙間ができてしまい、水面から顔を出し呼吸するのに苦労した。ライフジャケットのサイズが記者の体には大きかったようだ。

 肩部分のベルトも緩んでしまっていたが、「水中でベルトの調整は難しい」と担当者。「体に合ったものを正しく着ないとライフジャケットだけが浮いて体は沈んでしまう。マリンレジャーなど活動を始める前にしっかりと確認することが大切」と説明した。

 次に一回りサイズが小さい浮力6キロのものを着用。股ベルトから順にベルトを締めていき、再び入水した。担当者から「楽な姿勢で」とアドバイスされたとおりに浮いてみると、40センチの波を人工的にたてたプールの中でも安心して浮くことができた。

 3管本部管内では、2018~22年の海水浴や釣りなどレジャー中の死者・行方不明者は252人にのぼり、219人(約87%)がライフジャケットを着ていなかった。非着用だった死者のうち、約9割が溺死(できし)だったという。

より薄く行動しやすいタイプも

 ライフジャケットには記者が…

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