父親からの性暴力で負った「心の傷」 少女と母親が法廷で伝えた思い

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中村英一郎 編集委員・大久保真紀

 13歳未満の娘にわいせつな行為をしたなどとして、強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の罪に問われた被告の男(50)の判決が7日、横浜地裁川崎支部であった。児島章朋裁判長は懲役4年(求刑懲役5年)を言い渡した。

 判決によると、被告は2020年10月~22年10月、別居する娘と2人きりで自宅などで会い、わいせつな行為を13回し、その行為を携帯電話で81回撮影して動画と画像を保存した。

 被告は公判で「娘の求めに応じてしまった。わいせつな気持ちはなかった」などと主張した。弁護側は被害者の供述が信用性に欠けるなどとして、執行猶予付きの判決を求めていた。

 児島裁判長は、被害者の供述は他の証拠と整合しており信用できるとした一方、被告の主張を「非常識な弁解」と退けた。その上で「心情を無視して性的自由を踏みにじった犯行で、実刑が相当」と述べた。(中村英一郎)

被害に遭った少女は公判で、いまも思い出すという恐怖について明かしました。性被害の相談窓口には、全国のワンストップ支援センター「#8891」などがあります。

「二度と私の前に現れないで」

 この日、被害者の10代の少女と母親は、ついたてを挟んで、被告とは顔を合わせない形で判決を聞いた。

 少女が被害にあったのは10…

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中村英一郎
ネットワーク報道本部|首都圏ニュースセンター
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大久保真紀
編集委員
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