国家公務員の月給約4千円アップを勧告 29年ぶりの引き上げ幅に

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千葉卓朗
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 人事院は7日、2023年度の国家公務員の給与について、行政職で月給を前年比0・96%増の3869円、ボーナスは年間4・40カ月分だった前年より0・1カ月分引き上げるよう国会と内閣に勧告した。月給の引き上げ幅は29年ぶりの高水準。人手不足や物価高を背景に企業で進む賃上げが公務員にも波及している。

 7日午後、岸田文雄首相は官邸で川本裕子人事院総裁から勧告を受け取り、「勧告をしっかり受け止めさせていただき、政府内において議論をさせていただきたい」と述べた。

 1994年の3975円に次ぐ水準となった今回の月給の引き上げ幅は、過去5年間の平均約360円の10倍以上となった。ボーナスも2年連続の引き上げとなった。勧告通り実施されると、行政職の平均月給は40万7884円、ボーナスを含む平均年収は前年比10万5千円(1・6%)増の673万1千円となる。

 勧告には、月に10日を超えてテレワークをする職員に月3千円を支給する「在宅勤務等手当」の新設や、これまでは介護や育児を抱える職員が対象だった「フレックスタイム制」を2025年度から一般の職員に拡大することも盛り込まれた。勤務時間を調整することで週1日を限度に平日も休める仕組みで、活用すれば土日と合わせて「週休3日」の勤務が可能になる。

 月給の引き上げは、人材確保…

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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2023年8月10日17時50分 投稿
    【視点】

    国家公務員の給料引上げの勧告は、民間の賃上げの状況を反映したものだ。そして、若手の給料を重点的に引上げをした結果、初任給がかなり上がり、24万9640円となる見込みだ。 ただ、少し給料を引き上げたからといって、人材確保につながるかとい

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