米国の原爆観はいま 踏み込んだバイデン氏 正当化の世論も根強く

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ワシントン=清宮涼
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 広島市の原爆ドームにほど近いホテルは、警察車両に囲まれ、ものものしい雰囲気だった。主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれた5月。会見場に現れた米国のバイデン大統領は、前を見つめ、一語一語を強調するようにこう口にした。

 「核戦争がもたらした破壊的な現実と、平和を築く努力を決してやめないという私たちの共通の責任を力強く思い出させるものだった」

 私は一瞬耳を疑った。バイデン氏が自ら、各国首脳と訪れた広島平和記念資料館の感想を述べ、原爆の惨禍に言及したことに驚いたのだ。

 私は2011年から3年間…

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この記事を書いた人
清宮涼
アメリカ総局
専門・関心分野
外交、安全保障、国際政治
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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2023年8月10日11時50分 投稿
    【視点】

    広島・長崎への原爆投下をめぐる様々な視点が示されている記事です。日本では「原爆が無辜の民間人の命を奪った悲惨な物語」として投下が引き起こした被害を中心に語られやすいのですが、アメリカにおける原爆をめぐる動きは、単に悲惨な物語としてだけではな

    …続きを読む