平等院鳳凰堂 創建当時は屋根の一部が板ぶき? 復元イメージも公表

西田健作
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 世界遺産平等院京都府宇治市)鳳凰堂(ほうおうどう)は、創建当時は一部が板ぶきだった可能性が高い、とする研究成果を、平等院が31日発表した。中堂の大屋根は現在と同じく瓦ぶきだったが、屋根の下にある「裳階(もこし)」と呼ばれる飾り屋根などは板ぶきで、二つを調和させた姿だったという。

 鳳凰堂は、摂政・関白を務めた藤原頼通(よりみち)(992~1074)が平安時代の1053年に建てた。外観は鳳凰が翼を広げた姿を模したとされ、浄土の理想郷を表現している。

 現在は総瓦ぶきだが、創建当時の屋根の姿ははっきりせず、近年は木の瓦でふかれ、1101年の大修理で総瓦ぶきになったとの説が有力視されてきた。

 平等院では、鳳凰堂建立970年にあわせて改めて検証。平成修理(2012~14年)で、創建期とみられる平瓦が約280枚確認されており、中堂の大屋根は当初から瓦ぶきだったとする一方、中堂内に風雨にさらされた跡があり、板ぶきの屋根に使われていたとみられる古材があることを重視。勾配が緩く、瓦ぶきには不向きな裳階は板ぶきだった可能性が高い、としている。

 神居文彰(かみいもんしょう)住職は「鳳凰堂は和様が完成した時期の建造物。その建物が、瓦ぶきと板ぶきを見事に調和させたハイブリッドな形だったことがわかってきた」と話した。西田健作

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