ワグネル暗躍、親ロシア派に傾くマリ 「フランスこそ黒幕」情報拡散

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バマコ=遠藤雄司
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 ウクライナへの侵攻で国際社会からの孤立を深めるロシアが、政情不安なアフリカの国々で影響力を高めている。その先兵となってきたのが、創設者プリゴジン氏の反乱で解体も取りざたされる民間軍事会社「ワグネル」だ。ワグネルの暗躍が伝えられるアフリカ西部マリで実態を探った。

 クラクションが鳴りやまず、土ぼこりが舞う通りを、ワゴン型の乗り合いバスが横切った。後部には、ロシアのプーチン大統領とみられる肖像画が描かれている。

 6月21日昼、マリの首都バマコ中心街を縫うようにして、バスは走り去った。肖像の胸の辺りには、フランス語で「マリ・ダボール(マリ第一)」と書かれていた。

国民につけ込む情報戦

 マリではいま、旧宗主国フランスに反発するナショナリズムが高まり、急速に親ロシアへと傾いている。

 なぜか。

 背景には、マリ政府の要請で…

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この記事を書いた人
遠藤雄司
国際報道部・業務担当次長
専門・関心分野
アフリカ情勢、紛争、災害、事件