会津大の学長が辞任へ 論文の二重投稿、自己盗用など不正が複数発覚

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岡本進
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 公立大学法人の会津大学(福島県会津若松市)は27日、宮崎敏明理事長兼学長(66)が31日付で引責辞任すると発表した。論文の二重投稿などの不正が発覚し、宮崎氏に理事長と学長を速やかに辞任するよう勧告したという。

 宮崎氏は通信ネットワーク学が専門で、日本電信電話公社(現NTT)の研究員などを経て、2005年に会津大学コンピュータ理工学部教授に転身。先端情報科学研究センター長などを歴任後、20年4月に理事長兼学長に就き、任期は24年3月までだった。

 大学によると、宮崎学長は22年2月に、過去に自身が出した論文を引用の記載をしないまま新たな論文として発表する「自己盗用」の不正が4件見つかった。他にも同様の不正の疑いがあると本人から申告があり、学外委員らによる調査委員会を昨年4月に発足させ、調査してきたという。

 大学に着任以降の54の論文を調べたところ、新たな研究成果がないのに同様の論文を出した「二重投稿」が4件、自己盗用もさらに4件見つかったという。

 文部科学省は研究不正行為対応へのガイドラインで、二重投稿を「研究実績の不当な水増しにつながり得る」と指摘している。

 宮崎氏は調査に「一定程度の差分を加えれば二重投稿に当たらないとの認識だった」と説明したという。しかし、大学側は「研究者としてわきまえるべき研究倫理の基本的な注意義務が欠如していたと言わざるを得ない」と判断。今月に開いた理事長選考会議で辞任勧告を決めた。趙強福・副理事長兼副学長が理事長代行に就く。

手続き経ず、国の補助事業申請も

 会津大学の宮崎敏明学長への…

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