ALSの新解析法を人工知能で 「せりか基金」の助成受けた畠野さん
田村建二
神経細胞が徐々に失われていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)にかかわる遺伝子が病気にどう影響しているか、人工知能の技術を用いて予測する新たな方法を、新潟大脳研究所の非常勤講師・畠野雄也さんらが開発し、論文発表した。
人気漫画「宇宙兄弟」をきっかけに、ALSへの研究を支援するために設立された「せりか基金」から助成を受け、この研究を進めたという。
ALSには多数の遺伝子がかかわっていて、まだ存在が知られていないものや、機能が分かっていないものも多く、解析が進められている。
ただ、病気に関係するとみられる遺伝子が見つかっても、その遺伝子の配列が通常と異なる「バリアント」であることでどれほど病気の進行に影響しているか、不明なことが多い。
影響の度合いは「病原性」とも呼ばれ、病原性の高いバリアントほど研究すべき優先度が高くなる。しかし、それを調べるには細胞や動物を用いた実験が必要で、手間や時間がかかる。
このため、最近はコンピューターを用いて病原性を予測する研究が盛んになっている。
畠野さんたちは、ALSに関…