SBI証券「手数料ゼロ」の衝撃 「顧客中心主義が業界を淘汰する」

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山本恭介
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 ネット証券大手のSBI証券が、株の売買手数料を無料化すると宣言し、波紋を呼んでいる。証券会社のビジネスモデルを揺るがしかねない一手で、ライバル社は対応を決めかねているもようだ。利用者にとって吉報に見える手数料の無料化は、どこまで広がるのか。

 SBIが無料にするのは、国内の株式の売買にかかる手数料。現在は1取引あたり55~1070円かかっている。外国株や先物の売買は対象外。9月末までに無料化するとしている。

 SBIは2019年にネット取引の手数料無料化を目指すと宣言し、21年に25歳以下の国内株式売買手数料をまずゼロにした。

 SBIが狙うのは、顧客の取り込みだ。SBI証券を傘下に持つSBIホールディングスの北尾吉孝社長は5月の決算会見で「手数料をゼロにしたら、(口座数は)2千万を超えてくる」と述べ、口座数が今の約2倍になるとの見通しを示した。

 スマホで手軽に注文できるようにするなど利便性を高めるとともに、手数料を下げて口座数を増やしてきたSBI。グループの口座開設数は23年3月に1千万を超え、業界最多だ。それだけに、業界には衝撃が広がる。

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 対応が注目されているのが…

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