日本が利用者数で世界2位となってきたSNS、ツイッター。イーロン・マスク氏の買収後に変容を続け、利用者離れが起きている。不具合が散発的に続くなか、7月からは閲覧や投稿、ダイレクトメッセージにも制限がかけられ、災害・事故などの発生時に「今何が起きているか」をリアルタイムで知る手段としても陰りが出ている。
ツイッターと、これからどうつき合ってゆけばいいのか。
草創期からSNSを使いこなしてきた、ジャーナリストの津田大介さんに聞いた。
――ツイッターの急速な変容をどう見ていますか。
マスク氏の買収後、人材のリストラが急激に進み、二つの面で影響が出ています。技術者不足でサービスが不安定化していることと、不適切な投稿を管理・監督するモデレーションが機能しなくなり、公共の言論空間として荒れ始めていることです。
ツイッターの最大の強みは、何千万人と投稿するなかで、個別の投稿が秒単位で検索結果に表示されるようにした点です。
例えば駅で何かトラブルが起きた時にツイッターで検索すると、「○○駅で事故が起きた」などがわかる。グーグルのように検索結果に順位付けを行わず、ただ時系列でリアルタイムの検索結果を表示し、それを安定的に運用していたところにある種、グーグル以上の価値があったわけです。SEO(検索エンジン最適化)の導入によって、検索上位に上げるための競争を招いて汚されているグーグルよりも、信頼性の高いリアルな口コミ情報が手に入るのもツイッターの良いところです。
Statista社のデータによれば、日本のツイッターの月間アクティブユーザーは約5895万人いるそうです。日本のおよそ2人に1人が日常的に見ている計算です。毎年倍々ゲームで利用者を増やしていって、国民的な情報インフラになり、ツイッターで起きることが現実で起きることともつながり、新聞やテレビで報道されるニュースにもなっていきました。
そのツイッターも最近は、検索してもうまく表示されないなど、検索結果が安定しない状況が続いている。根幹が揺らいでいます。
モデレーションや公共政策の人材もごそっといなくなったため、諸外国ではヘイトスピーチが増えていると言われています。マスク氏は、「黒字化のためにはしょうがない」と開き直っていますが、ツイッターの企業価値が大幅に下落し、広告主もどんどん引いています。
――ツイッターがこれだけ世界中で利用者を増やしてきた理由をどう見ていますか。
ツイッターは「あらゆる情報が公私混同される場所」
ツイッターの面白さは、「あらゆる情報が公私混同される場所」だという点にあると思うんですよ。
「公私」のバランスを欠いたツイッターに、津田さんは距離を置き始めます。「僕はもう昔のようには使っていません」。その理由は。そしてすでに「次のSNS」探しが始まっています。
これは僕だけの感覚だけでは…
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- 【視点】
私も2010年からTwitterを利用しています。当初は自らの考えを積極的に発信してましたし、東京五輪の批判もTwitterを通じてそこそこ社会に広がったとも思っています。 でも、ここ1年ほどは発信を躊躇することが増えました。たとえば
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