ロシア独立系メディアって? 前モスクワ支局長が語るメディア分布図

有料記事今さら聞けない世界

聞き手・真田嶺

 ロシアに関わるニュースに触れる中で、「ロシア独立系メディア」という表現を見かけることが増えました。そもそも、ロシアの独立系メディアとはどういうもので、メディアをとりまく状況は今どうなっているのでしょう。長年ロシアメディアの動向を追ってきた喜田尚・前モスクワ支局長に聞きました。

 ――ロシアのメディアの現状は。

 大きく分類すると、国営メディアと独立系メディアがあります。

 国営メディアは国や国の機関に所有されていて、有名なもので言えば「チャンネル1」などといった国営テレビ。テレビ以外では「タス通信」や「ノーボスチ通信」といった通信社が有名です。

 ノーボスチ通信は今、巨大な国営メディア会社「セボードニャ」の一部となっています。この傘下には「RT」や「スプートニク」といったメディアがあります。RTやスプートニクは多言語でも展開され、国外にもプーチン政権の主張に沿ったニュースを伝えています。つまりプロパガンダですね。

 形式的にはこれ以外が独立系メディアということになるのですが、「独立」とうたっているもののグレーな部分もあります。

「独立」とうたっていても… 政権の意向、無視できぬメディアも

 ――グレーなメディアとは?

 大手新聞や大手のネットメデ…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2023年7月9日12時0分 投稿
    【視点】

    どこの国がいつなっても不思議ではないメディア状況。自分たちの今後を考えるうえでも読んでおくべき。

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2023年7月9日12時0分 投稿
    【視点】

    他人事ではない記事だと思います、ワグネルが反乱を起こしモスクワに向かったというニュースをSNSで見てテレビをつけたけど、どこの局も通常のバラエティ番組、NHKも通常放送のままでした。少なくとも数年前ならNHKは緊急ニュースとして番組中断して

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