「議論が尽くされていない」 原告男性が上告 北海道警ヤジ訴訟

松田昌也

 2019年7月の参院選で、安倍晋三首相(当時)の演説中にヤジを飛ばし、北海道警の警察官らに排除された男女2人が道警側に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性(35)が5日、請求を棄却した二審判決を不服として最高裁に上告した。男性は会見し「議論が尽くされたとはいえない。最高裁でちゃんと審理してほしい」と述べた。

 一方、二審判決で表現の自由を侵害されたと認められた、もう一人の原告の桃井希生さん(27)は上告しないという。

 22年3月の一審・札幌地裁判決は、原告2人のいずれについても表現の自由が侵害されたと認め、道警側に計88万円の賠償を命じた。

 今年6月の二審・札幌高裁判決は、桃井さんについては、聴衆から危害を加えられる現実的かつ具体的な危険は認められないなどと判断した。だが、隣にいた聴衆が拳などで男性の腕を押すなど危険が切迫していたとして、男性に対する警察官の行為は適法だと結論づけた。(松田昌也)…

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