第2回旧統一教会との決別「建前だけ」 自民の地方議員、関係断てない構図

 統一地方選を翌月に控えた3月10日、徳島市議会の一般質問で、ある議員が熱弁を振るっていた。

 「(同性カップルを公的に認める)パートナーシップ制度は、人類歴史の自然の根本法則に反する同性婚合法化につながる間違った考えであります」

 発言者は自民党員の美馬(みま)秀夫氏(73)。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者であることを公言してきた。この日の議会後、朝日新聞の取材に「はっきり言うほうが支持は広がる。私の選挙スタイルだ」と語った。

 しかし、いざ選挙が始まると様子が違った。

 4月16日の出陣式。支援者たちが「同性婚に断固反対するために立ち上がった」「批判を恐れない高潔な思想と行動力がある」と持ち上げたが、美馬氏の第一声は地元の街づくりや経済振興策にほぼ終始し、「私も非常に難しい立場を歩んでおります」と頭を下げた。

 7期目への挑戦はかつてないほどの逆風を受けていた。

 安倍晋三元首相が昨年7月に殺害された事件で、安倍氏ら多くの自民党議員が教団や関連団体と関係を持ち、広告塔になってきたことが明らかになった。

「ガバナンスコード」でいったん離れ、再び接近

 批判の高まりを受けて自民党本部は昨年10月に運営指針「ガバナンスコード」を改め、「教団や関連団体とは一切関係を持たない」「地方議員にも徹底する」と宣言した。直近2回の市議選は自民から出た美馬氏だが、年末に徳島県連に「こういう事態なので」と自粛を促されたといい、公認申請をあきらめた。

 「今回は(当選が)危ない」…

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