生成AIと著作権の論点整理へ 文化審議会著作権分科会の議論始まる

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平賀拓史

 急速に普及する生成AI(人工知能)に対し、クリエーターの間で著作権侵害の懸念が広まる中、今年度最初の文化審議会著作権分科会が6月30日、開かれた。分科会のもとに法制度小委員会を設け、生成AIと著作権に関する論点整理を今後行うことが決まった。

 「AIは思っていた以上に速く普及し、社会にも混乱が生じている。多くの人々の関心がある問題なので、活発な議論をしていただきたい」。分科会の冒頭で、茶園(ちゃえん)成樹座長(大阪大大学院高等司法研究科教授)が委員に呼びかけた。

 2018年の改正で著作権法に盛り込まれた規定(30条の4)では、AI開発のための情報解析などといった「著作物に表現された思想または感情の享受を目的としない利用」であれば、「著作権者の利益を不当に害する」場合などを除き、著作権者の許諾が必要ないとされる。

 分科会で発言した作曲家で日…

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