富士通、マイナカード証明書交付サービス再び停止へ また誤発行発生

田中奏子 鈴木友里子

 富士通は6月29日夜、マイナンバーカードを使った証明書交付サービスについて、システムを再停止して点検し直すと発表した。別人の住民票が交付されるなどのトラブルを受けた点検を17日に完了させたばかりだが、再び誤発行が見つかった。全国123自治体で再びサービスが使えなくなり、再開の時期は未定という。

 新たな誤発行は28日、福岡県宗像市で起きた。女性が市役所の窓口で住所変更の手続きをした後、専用の機械で住民票の写しを申請したところ、他人のものが発行された。同社によると、サーバー上での情報更新が間に合わず、データの不整合が全く別人の住民票を出すエラーを引き起こしたという。

 2019年にも同様の誤発行があり、同社もシステムの不具合を把握していた。プログラムを修正することで対応したが、一部の自治体で修正ができていなかった可能性がある。5月から6月17日に実施した一斉点検では、点検項目からもれていた。再点検では、過去の事例もさかのぼって調査し、修正できているか確認するという。

 同社は今回の不具合を含めて過去の事例もさかのぼって調査し、修正できているか確認する必要があると判断した。「多大なるご迷惑、ご不便をおかけいたしますことを重ねて深くおわび申し上げます」とコメントした。

 また、この日、マイナンバーをめぐるトラブルが相次いでいることを受けて設置された政府の「マイナンバー情報総点検本部」の担当者を集めた初会合が開かれた。デジタル庁や総務省、厚生労働省など関係省庁から約60人が集まった。

 会合の冒頭、河野太郎デジタル相は、マイナンバーと別人の情報をひもづけるミスについて「(ひもづけ作業の)実態をしっかり把握をしていただきたい。その上でマイナンバー制度の信頼確保に向けて政府全体での総点検をおこなっていきたい」とあいさつ。この日、岸田文雄首相が総点検の中間報告を8月上旬までに行うように指示したことを受け、今後の総点検の進め方などを確認した。(田中奏子、鈴木友里子)…

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