経営難ゆるく発信「まぢピンチ」 京都市交通局がLINEスタンプ

有料記事

八百板一平
[PR]

 コロナ禍で乗客が激減して深刻な経営難に苦しむ京都市交通局が、キャラクターのLINEスタンプを売り出した。1セット120円で、販売での収入はわずかだが、バスや地下鉄を使ってもらうPR効果も狙っている。

 LINEスタンプは1セットに32種類ある。交通局のPRキャラクター・太秦萌らをデフォルメしたイラストに、経営難を訴える「まぢピンチ」のほか、「いいね!」「ごめんなさい」などの言葉を添えた。経営の状況を伝えようと交通局のホームページに載せているイラストに加えて、描き下ろしの新作も用意した。LINEのホーム画面で「スタンプ」を選び、「まぢピンチ」で検索すると、購入できる。

 LINEスタンプ発売は、コロナ禍を受けた交通局の危機感の表れでもある。2022年度の1日あたりの乗客数は20、21年度より回復したものの、コロナ禍前の水準には戻っていない。19年度と比べると、22年度の乗客数はバス14%減、地下鉄13%減となった。20~22年度のバスと地下鉄の運賃収入の合計は、19年度の水準を維持した場合と比べて約325億円少なくなるという。

 赤字も20年度から続いている。21年度決算の経常損益はバスが35億円、地下鉄が38億円それぞれ赤字だった。22年度もバス、地下鉄ともに3年連続赤字の見通しだ。

 交通局は「なりふり構わない経営改善」を掲げ、経費節減や増収策に取り組んでいる。昼間の減便などで経費を節減する一方、市民の利用を促そうと、交通系ICカードを対象にしたポイント還元サービスを今年4月に導入した。

 LINEスタンプ販売での収入見込みは2万円だ。収益への貢献はわずかだが、交通局の現状を知ってもらう発信に期待を寄せる。企画総務課の清水博之課長は「経営の現状や交通局の取り組みを知ってほしい。地下鉄やバスを利用するきっかけになれば」と話している。

職員が親しんだマンガ・アニメ役立った

 LINEスタンプのイラスト…

この記事は有料記事です。残り533文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません