涼しい地域ほど熱中症リスク 体慣らす「暑熱順化」が起きにくい?

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小宮山亮磨 市野塊
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 同じ猛暑日でも、涼しい地域で暮らす人ほど熱中症のリスクが高い――そんな傾向があることが朝日新聞の分析でわかった。識者は、涼しい地域ほど暑さに体が慣れていないことが一因とみる。政府が発表する「熱中症警戒アラート」について、全国一律ではなく、地域の特性に合わせた基準にする検討を始めるべきだと指摘する。

 分析は総務省消防庁が公表している2008~22年に熱中症で搬送された約79万人のデータを使用。搬送数について、都道府県庁のある自治体で気象庁が測った夏場(5~9月)の平均気温と、日ごとの最高気温との関係を調べた。熱中症に詳しい東京大の橋爪真弘教授(疫学)に監修してもらった。

 猛暑日の基準となる最高気温が35度の日の搬送者数をみると、夏場の平均気温が23度を超える37都府県では、人口10万人あたり平均1人前後だったのに対し、平均気温22度以下の5道県(北海道、青森、秋田、岩手、宮城)では同2人と、おおむね2倍のリスクがあった。

 夏場の平均気温が22度超23度以下の5県(山形、福島、茨城、新潟、長野)のリスクは、この中間だった。

 また、最高気温が25度を超えると熱中症で病院へ運ばれるリスクが急上昇していた。人口10万人あたりにすると、最高気温25度の日は平均0・05人、30度で0・23人、35度で1・07人と、5度上がるごとに5倍のペースで増えていた。

高齢者が半数 発生は住居が最多

 年齢別では、65歳以上の高…

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