地方交通、G7交通相会合で危機感あらわ 議論遅れた日本はどうする
三重県志摩市で16~18日にあった主要7カ国(G7)交通相会合では、地方の公共交通のあり方が議題の一つとなった。日本では人口減少や少子高齢化で危機に直面しているローカル線などについて、早くから政府が支える仕組みをつくってきた欧米の主要国との違いが浮き彫りになった。背景には公共交通の必要性に対する考え方の違いがある。
会合のテーマは「誰もがアクセス可能で持続可能な交通」。18日にまとまった閣僚宣言では、デジタル技術などを使って人口が減っている地域での交通利便性を上げるため、各国で実践する政策を集めた報告書をつくることで合意した。
国内では赤字ローカル線など地方の公共交通が岐路に立たされている。少子高齢化に伴う人口減少にコロナ禍が追い打ちをかけた。
事業者と自治体がローカル線のあり方について議論するための改正地域公共交通活性化再生法が4月に成立した。「大量輸送機関としての鉄道の特性」を生かすのが困難なローカル線については、事業者や自治体の要請を受け、国が「再構築協議会」を設置。地域に適した交通手段を話し合い、バスなど鉄道ではない方法に転換する場合でも財政支援をするというものだ。10月1日に施行する。
会合で議長を務めた斉藤鉄夫国土交通相は終了後の会見で「日本が最も危機意識が高かった」と述べた。一方、過疎地の交通に特化した発言は、他の参加国からはなかったという。
■利用少ない欧米 なぜ維持で…
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- 【視点】
人口減少が続く地方で、公共交通が維持されるかどうかは、そこで暮らす人々が、どうやって病院に行くか、いかにして高校に通うかといった切実な課題です。 とくに地方では、鉄道もバスも人手不足が深刻です。長年、採算が取れないなか、労働条件を上げられな
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