ことでん、鉄道は3期ぶり黒字 建物の減損処理で52億円の最終赤字

福家司

 【香川】高松琴平電気鉄道(ことでん)は19日、2023年3月期の決算を発表した。コロナ禍の影響が和らいで利用客の回復が進み、鉄道事業は3期ぶりに黒字を確保した。一方で、瓦町駅ビルの土地、建物の減損処理を行ったため、52億5700万円の最終赤字となった。

 売上高に当たる営業収益は鉄道事業、付帯事業合わせて31億5600万円、営業費用は31億8800万円で、3100万円の赤字だった。営業費用の増加要因のうち、電気代の高騰が約1億円を占めた。ただ、赤字額は前期の5分の1以下に改善された。経常損益も1億500万円の赤字だったが、赤字幅は前期の半分以下となった。

 このうち、鉄道事業の営業収益は24億3千万円で、前期から10・2%増え、コロナ禍が本格化する前の20年3月期の83・4%まで回復した。営業損益は1300万円の黒字だった。

 一方、瓦町駅ビルの評価額を実態に合わせて引き下げたため、特別損失として76億800万円を計上。内訳は、鉄道部分を除く土地約69億円、建物約7億円。これが大きく響いて民事再生後、最大の純損失となった。

 ことでんの河田悦夫・管理本部長は「来期は運賃値上げの効果によって鉄道事業で約2億円の増収が見込める。減損処理によって駅ビルの減価償却費も減るため、付帯事業も黒字化する」として「来期は8千万円程度の最終赤字を予想していたが、今期末に業績が上ぶれした影響が続き、5千万円ほどの黒字になる」とみている…

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