「督促されても…深刻さ、認識を」 奨学金問題に取り組む学生の思い

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聞き手・山本知佳
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 2022年の自殺者数の統計で、自殺の原因や動機の選択項目に「奨学金の返済苦」が新たに入り、10人が該当していた。労働・貧困問題に取り組むNPO法人「POSSE」(東京)などでつくる「奨学金帳消しプロジェクト」のメンバーで、一橋大大学院修士課程の岩本菜々さん(24)は「奨学金の問題が可視化されてきたことの表れだ」と評価する。話を聞いた。

 これまでも、家族が奨学金を理由に自殺したという相談がきたことがあった。日本学生支援機構の奨学金を返還中または過去に返還していた人を対象に、プロジェクトが昨年行ったアンケートでも、約2700件の回答のうち、自由記述欄に「自殺未遂をした」など、自殺に関連する回答が30件あった。10人という数字は氷山の一角だと思う。

 この20年、非正規雇用が広…

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