知床沿岸に現れたホタテガイの大群 出現の理由、ナゾに包まれたまま

有料記事

山本智之
【動画】海底を跳びはねて泳ぐホタテガイ 今だけ大集結の謎=諫山卓弥、竹花徹朗撮影

 北海道・知床半島東部の羅臼町沿岸に大量のホタテガイが現れ、海底をびっしりと覆っている。どこからともなくやって来たホタテガイは6月上旬に集まり始め、秋に水温が下がると姿を消す。その生態はいまだにナゾが多い。

 潜水して水中撮影をした6月中旬の水温は8度。直径10センチ前後のホタテガイが折り重なるように海底を埋め尽くし、足の踏み場もないほどだ。圧巻の眺めが、見渡す限り広がっている。

 東京農業大の西野康人教授(生物海洋学)らのこれまでの調査では、水深約10メートルの地点で1平方メートルあたり最大で59匹が記録された。西野さんは「羅臼の限られた場所だけでも数十万匹が集まると推定される。ただ、群れの全体像はナゾに包まれている」と話す。

 なぜ、この海域に集まるのか。原因の一つと考えられるのは、地形の影響だ。

 沖に向けて陸が張り出した場…

この記事は有料記事です。残り482文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
山本智之
根室支局長

海洋生物、地球環境