JR東海顧問の須田さん、自らが立案した「準急」ヘッドマークと再会

福家司
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 国鉄幹部として四国での勤務を経験したJR東海顧問(初代社長)の須田寛さん(92)が5月中旬、香川県三豊市にある私設鉄道博物館「Kトレインワールド」などを訪れ、60年以上前に自らが立案した準急列車などのヘッドマークと対面した。

 須田さんは1959~60年、国鉄四国支社の旅客課長として勤務。新たに導入されたディーゼル車による準急列車の運転が始まった際、料金が必要な列車であることを示すため、「準急」の丸いヘッドマークを掲げた。地元の看板店に作ってもらったという。国鉄本社に戻った後も、四国の急行列車に掲げられていた丸形、白地のヘッドマークを路線別のカラーで色分けすることを提案し、実現させた。

 須田さんは5月18日、「Kトレインワールド」を木川泰弘館長(66)の案内で見学。展示されている急行列車のヘッドマークの数々を懐かしそうに眺めた。その後、観音寺市の木川さんの自宅で、保存されている赤の縁取りに赤字で「準急」と書かれた金属製のヘッドマーク(直径50センチ)と再会を果たした。

 木川さんによると、須田さんは「準急」のヘッドマークを見て「私が考えたものに間違いない。よくぞここまで集め保管してくれた。来たかいがあった」と感激した。木川さんが私財を投じた博物館についても「小さいながら、すばらしい施設。今後も守り抜き、発展されるよう期待しています」と語ったという。

 「準急」のヘッドマークは、木川さんが高松市の模型店(現在は閉店)から購入したという。「『鉄道の神様』とも呼ばれる方に小さな博物館へお越しいただき、ありがたい。これからも、期待に沿えるようがんばりたい」と話した。(福家司)

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