大雨で「レッドサラマンダー」が大活躍 全国で2台の大型水陸両用車

斉藤佑介
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 台風2号に伴う大雨で浸水や冠水が起きた愛知県岡崎市では、消防の大型水陸両用車「レッドサラマンダー」が、孤立した市民の救助で力を発揮した。全国に2台しかなく、出動機会が限られがちな特殊車両。今回は市内の7カ所へ臨場した。

 同市小美(おい)町では2日午後3時すぎ、河川の氾濫(はんらん)で軽トラックが道路で立ち往生していた。濁流のなか荷台に逃れていた70代男性を、レッドサラマンダーで駆けつけた隊員が救助した。

 「なぜか岡崎市にあるレッドサラマンダーが出動」「(救助されて)無事で何より」「今こそ出番 がんばれ」。レッドサラマンダーを目撃した地元の人が、その活動ぶりをSNSに投稿すると、好意的な反応があった。

 運用する中消防署本署によると、2日深夜にかけて市内の計7カ所の現場に駆けつけた。1メートル超えの水深などをものともせず、浸水した民家などから、50~80代の男女6人を救助した。

 隊員の一人は「県外の災害現場で活躍してきたが、岡崎市での本格的な活動は初めてかもしれない。市民の皆さんに知ってもらう一歩にもなれば」と話す。

 レッドサラマンダーは、通常の車両では走行が難しい災害現場での救助を主な任務とする特殊車両。土砂の上でも活動でき、水深1メートルを超える場所でも走行可能という。

 総務省消防庁東日本大震災後の2013年に同市消防本部に配備した。岡崎市が日本のほぼ中央に位置し、震災時に津波被害を受けにくい点などが選ばれた理由だという。2台目は大阪市消防局に置かれている。斉藤佑介

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